こんにちは。まよ(@josysnohito)です。
IT系の求人を見ると、よく「社内SE」とか「情シス」って単語が登場しますよね。なにがなんだかよくわからないまま求人を眺めている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではそんな疑問をお持ちの方に向けて、「社内SE」と「情シス」の違いをご説明します。
「社内SE」と「情シス」の違いとは?

まず、情シス(情報システム部門)とは、企業において社内のIT業務全般を担当する部署のことを指します。名称は企業によって様々ですが、情報システム部、IT戦略部、業務システム部などのITやシステムという単語がつく部署名がつけられていることは大半です。
そして、社内SEとは、社内のシステム開発や社内システム全般に関するヘルプデスク対応を行うエンジニアのことを指します。つまり企業におけるIT全般の担当者です。
情シスが存在する企業の多くでは情シスに所属する社員が社内SEとなりますし、情シスが存在しない企業の場合は、総務部門や企画部門などにIT全般の業務を担う社内SEを配置することがあります。
・情シスとは企業におけるIT専門の部署
・社内SEとは企業におけるIT専門の担当者
と覚えていくとよいでしょう。
情シス部門の主な業務内容とは?

次に、情シス(情報システム)部門の主な業務内容をご説明します。
システム企画
情シス部門が主に行うお仕事がシステム企画です。
システム化によって効率化できる業務を洗い出し、費用対効果を算出の上、システム化までの全体計画を立てます。
たまに「DX推進!」なんて格好良く言うこともありますが、やっていることは企業内のみならず顧客が使う部分においてもアナログな部分をデジタル化して競争力を高めていこうぜ!というような取り組みです。(例えばコンビニのセルフレジなどですね)
社内システムとは具体的には、就業管理、購買管理、会計管理、人事給与管理といった企業の経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」を管理するシステムや、企業の業務を遂行するためのシステム(銀行ならATM、コンビニならPOSシステムなど)が該当しますね。
その他にも、社員同士がコミュニケーションに使うグループウェア(サイボウズやOffice365など)の導入検討などを担当します。
一言でまとめると、新しいシステムを導入したい時に先陣を切って検討を進めるのがシステム企画のお仕事です。
情報システムの開発・保守
情シスにおけるシステム開発とは、企画された社内システムの要件を更に精緻化し、社内の要件をとりまとめ、開発者に開発作業を委託することです。
開発そのもの(=プログラムを組んだり試験をする作業)は社内のエンジニアが直接行うこともありますし、システム開発ベンダ(SIer)に発注することもあります。前者は内製、後者は外注などと呼ばれます。
情報システムはその企業の業務内容に合わせてオーダーメイドで構築している事が多いため、自社の要件を正しく開発者に伝達することと、出来あがったシステムが自社の要件通りに作り込まれているか確認する作業も行います。
そして、情シスにおけるシステム保守とは稼働中の情報システムのメンテナンスです。日々システムが正常稼働していることを確認したり、システムに障害が発生したときの復旧作業を行ったり、当初想定していたリソースを大幅に上回りシステムがパンクしそうになる前に対処を行います。
開発でも保守でもそうなのですが、自社の社員だけで100%業務を回している事例は稀で、他社のエンジニアに発注したり、自社に常駐してもらって一緒に作業を行うことが多く、人間関係構築が上手な人ほど仕事ができる人になりやすい傾向があります。
社内インフラ(電話やPCやネットワーク)の整備及びヘルプデスク
社内のインフラやヘルプデスクも情シスの重要な仕事のうちの一つです。
社内ユーザが利用する電話やPCのキッキング(初期設定のこと)や、各種マニュアル作成、利用していてなにか困った場合のヘルプデスク業務などを行います。
WindowsやOffice製品全般の操作に詳しければ詳しいほど活躍できる傾向にあり、社内SEのお仕事の中でも比較的難易度が低めな作業の一つです。俗に言うパソコンの大先生です。
昨今ではテレワークに対応するためのリモート環境を整えている企業が多く、テレワーク端末のヘルプデスクなんて業務が追加された情シスも多いんじゃないかと思います。
社内SEの業務内容と、情シスの業務内容は違うものか?

同じものだと考えて良いです!
大企業であれば情シスに人員を割くだけの体力があるため、組織単位でIT業務をこなしますが、中小企業には情シスを作るほどの余力がなく、総務部門などの社員が社内SEとしてIT業務をこなしていることがあります。組織か個人かなだけでやっていることは同じです。
ちなみにこのブログでは「社内SEが最強!」と謳っているのですが、私がおすすめする社内SEとは、情シス部門のある企業で社内SEとして働くことです。全社員数に占める情シス社員の比率が高ければ高いほどおすすめできます。
逆に情シス部門が存在しない企業の社内SEは、極端に少ない人員で社内のシステム業務を担っていることがありますが、このような企業では情報システムの価値が理解されにくいため、どうしも社内の立場が弱くなりがちです。
「ひとり情シス」と呼ばれる、社員一人で情シス業務を担当している社内SEが生まれるのもこのパターンです。依頼をこなしても感謝されない、次から次へと問い合わせが立て込んだ挙げ句急かされたり怒られる、など、そんな不遇な社内SEもいるので注意が必要です。
情シスに求められる役割とは

企業がIT活用をする目的は時間を短縮するためです。これまで手作業でやっていたことを自動化するためにIT投資を行っています。
ですので、情シスは社内の業務の全体像を把握して、業務のムダを探し、システム化することによって効率化していくことが常に求められます。
小難しいことのようですが、例えばこれまで出張旅費の申請を紙に手書きで書いて上司の判子をもらって総務部門にFAXで送信していた作業を、エクセル化してメールのCCに上司を入れて送信するように改善するだけでも効率化に繋がりますよね。
他にも、費用を投資して開発した情報システムを安定稼働させることや、社員のITリテラシー向上のための取り組みを行うのも情シスの役割です。
そして昨今ではテレワークやフリーアドレスの導入が進められており、これらの取り組みを円滑に推進していくためにも社内のIT環境のクラウド化の必要性が高まっています。
まとめ
情シスと社内SEの違いから始まり、情シスの業務内容や求められる役割をご紹介しました。
情シスの仕事ってDX推進みたいな難しい仕事からPCのキッキングみたいな少しWindowsの知識があればこなせるものまで幅広い業務があります。
システムのお仕事って横文字が多くて難しいイメージをもたれやすいかもしれませんが、経験の浅い方でも全然できるものもありますし、ましてやSIer経験者ならそれほど優秀じゃなくても活躍できます。
ユーザ企業のIT人材不足が深刻!な世の中で門戸も広いので、興味を持った方はぜひ社内SEを目指してみてください。