こんにちは。まよ(@josysnohito)です。
突然ですが、社内SEって楽すぎでまったりした仕事だって聞いたことありませんか?
IT業界、特に重いプレッシャーや長時間労働を日々こなして疲れているSEにとってこれまでの経験を存分に活かせるまったりした仕事に就くのって、結構あこがれだったりしますよね。
この記事ではそんな、まったり重視で社内SEへの転職を検討されている方向けに、おすすめの社内SEのポジションや、逆に絶対に避けるべき社内SEのポジションについてご紹介します。
前提:社内SEって本当に楽でまったりしてるの?

基本的にはYES
私が考えるまったりした仕事の定義は
・そこそこ友好な人間関係
・自分自身の仕事が正当に評価される
・基本定時帰りで遅くとも20時には帰れる
なのですが、この条件に当てはまる社内SEの求人ってかなりたくさんあります。
社内SEにまったりしたポジションが生まれやすい理由
社内SEにまったりしたポジションが生まれやすい理由は、
・日本のユーザ企業は、システム開発や保守をSIerに外注する事が多い
・社内SEは仕事を発注する側の立場にいるため、自分で納期をコントロールできる
ことが理由だと考えます。
仕事を請け負う側だとどうしても顧客側の都合に応じなければならないことも多いですが、社内SEの立場だと長時間労働でリカバリすることも、スケジュールを変更することもある程度自分の判断でできます。
もちろんすべての社内SEがそうだという訳ではなく、社内調整を上手に行える前提のもとでこの立場が成り立っています(営業から情シスに対して短納期を希望される局面は多々あるので)。
所属する企業がIT投資に関して理解があり、情シス部門が企業内でそれなりの立場である場合に、このようなまったりした社内SEのポジションが生まれやすくなります。
まったり重視におすすめな社内SEのポジションの特徴
次に、具体的にどのような企業にまったりした社内SEのポジションが生まれやすいのかご紹介します!
大企業の情シス部門やユーザ系SIer

なんだかんだ、まったりな環境が一番生まれやすいのは、大企業の情シスや、情シスを子会社化したユーザ系SIer(俗に言うユー子)です。
大企業は情報システムに投資する体力があり、実際にシステムに投資して大きく業績を伸ばした実績や成功体験も持っています。そのため、情報システムの重要性を理解しています。
結果、情シス部門に潤沢に予算を分配することに抵抗がないため、そこに属する社内SEの求人も多なり、人の数が多い分まったりしたポジションも生まれやすくなります。
ちなみに、大企業の情シスって高学歴じゃないと入社できないイメージがあるかもしれませんが、SIerなどでシステム開発の経験を数年以上積んでいる場合、転職での入社難易度は、新卒でその企業に入社するよりも低いことが多いです。
ぶっちゃけ穴場です。大企業だからって必要以上に怯む必要はないですよ!
特定のベンダと長年取引している企業

「いつも通りによろしくやっといて」
この一言で発注が終わる環境ほど恵まれたものはありません。特定のベンダと深い信頼関係を構築している企業にもまったりした環境が生まれやすいです。
関係の浅いベンダに発注する場合、要件定義で漏れのない明確な要件を提示する必要があるし、ベンダのやっていることを随時コントロールする必要がある。どのくらい具体的に要件を伝えれば望み通りのシステムが出来上がるのか勘所もよくわからない。
仕事を請負うベンダの立場からしても、初めての顧客は今までのやり方が通じないため、最初は生産性を出しにくい。顧客の業務に精通した有識者を育てるのにだって数年かかる。
しかし!特定のベンダと信頼関係ができていてベンダ側に有識者が育っている場合、これらの労力がかかりません。
結果としてベンダ側の生産性があがり、少ない指示でベンダが動いてくれる分社内SEの仕事量も少なくなり、まったりしたポジションが生まれやすくなるのです。
「うちの会社は長年、xxx(IT企業)にシステム開発をお任せしています」。こんなことが言える企業はまったり狙いの転職希望者にとっては狙い目です。
まぁ、「丸投げじゃね?」って批判はあるかもですけどね。
社長や役員が元エンジニアの企業
社内SEの労働環境は、所属する企業が「情報システムの価値」を理解しているかどうかで決まります。
社長や役員がITに疎いと、どうしてIT投資に多額のお金がかかるのか理解してもらえず、常日頃からコストカットを求められることも。
こういう企業では労働時間こそ少ないかもしれませんが(社内SEに残業代を払いたがらないため)、社内SEの仕事が評価されにくく、まったりした環境とは程遠い労働環境が待っています。
特にSIerからの転職の場合は要注意。SIerの開発部門って企業における稼ぎ頭ですが、まったく逆の立場になるのです。意外と見落としがちなポイントだけど、社内のポジションが低いって結構つらいものです。
企業の役員の中に、IT業務に知見ある方がいるかどうかは、まったりした環境を探す上での重要なポイントになります。
【探し方】エージェントに「まったり重視」と言えばOK

実際のところ、転職エージェントに労働時間の削減を目的に転職活動をしている旨を伝えておけばまったりした企業を紹介してくれます。転職エージェント側も早期退職されると顧客に紹介料を返金しなければならなくなるので、極力ミスマッチを減らしたがるためです。
転職エージェントのサービスは「転職希望者側の窓口」と、「企業側の窓口」を別で設けている事が多いのですが、極力「転職希望者側の窓口」となるエージェントだけではなく、「企業側の窓口」となるエージェントの方とも会話して情報収集しておくと、より精度が高まります。
大手の転職エージェントなら、企業側の窓口の方と会話して情報収集したい旨を伝えておけば、大抵の場合は紹介してくれますので。
逆に、特定の企業の名前を挙げても企業側の窓口のエージェントと会話させてくれない場合、その企業から内定を取るのは難しいと思われていると考えてよいです。
【要注意】避けるべき社内SEのポジションの特徴
ここまで、まったりした環境が生まれやすい企業の特徴をご紹介しました。次は逆に避けるべき社内SEのポジションをご紹介します!
ひとり情シス

仕事がつらいとぼやいている社内SEの大半はこのパターンです。どんなに条件が良くてもまったり重視の方は絶対に避けてください。
具体的には情シス部門が存在しなく、システムと全く関係ないスタッフ部門に所属する1人または少数の社員が社内SEを担当しているような企業です。どうしても少人数で社内のIT雑務を回し切る必要があるため業務量が膨大になりがち。
それどころか、情シスを設置しない=企業が情報システムの価値を理解していないパターンが大半のため、社内SEの仕事を評価する人も少なく、突発的に発生するトラブル対応をこなしても感謝されるどころか嫌味を言われることもある。
おまけに代わりの人がいないから休めないし辞めにくい。
このようなポジションが生まれがちな、システム系の部門が存在せず、求人に「社内のIT業務全般をお任せします」みたいな内容が書かれている企業は注意しておきましょう。
24時間営業の業界(小売・医療など)
このパターンも結構大変。
システムが24時間動いて当たり前な業界では、システムトラブルも24時間発生しうるので、何かあった場合は昼夜を問わずに仕事をすることになります。
もちろん24時間営業じゃない業界でも夜間にバッチ処理を動かしていることも多く、システムが夜間稼働しているからと言って極端に業界を絞りすぎるのは厳禁。
ただし、24時間営業じゃない業界の場合は、仮に夜間にシステム障害が起こったとしても翌日の日中帯までにリカバリできれば良いなど、復旧までの猶予時間が結構あります。なんなら寝ててもベンダが勝手に復旧してくれることも。
一方、24時間営業の業界は、いついかなるときもただちに復旧することが求められます。あなたが寝不足だろうが二日酔いだろうがお構いなしにです。
ただ、このパターンの企業は「情報システムの価値」を理解しているケースが多く、やりがいや使命感を目的とした転職なら優良な求人も多いです。
が、やりがいや使命感よりもまったり重視の方は、避けたほうが無難です。
ベンダの入れ替わりが激しい企業

先述の特徴の裏返しですが、ベンダの入れ替わりが激しい企業は要注意です。
ベンダの入れ替わりが激しいということは、自社の業務やシステム仕様に精通した有識者が育ちにくい環境なので、自ずとユーザ企業側の負担が高くなる。このような企業はベンダだけじゃなくて社内SEの入れ替わりも激しいことも。
もちろん、急成長していて年々IT投資額が膨らんだ結果として、様々なベンダが参画してくる企業の場合は話が別。しかし成長率が数%程度でベンダをコロコロ入れ替えているような企業はおすすめしません。
そもそもベンダの立場でも、すぐにエンジニアを切る顧客の仕事は請け負いたがらないので、優秀な人材が集まりにくく、思うように情報システムの開発や保守が進みません。
この特徴は求人票からは読み取りにくいものですが、転職エージェントに聞いてみるか、面接で聞いてみると一発でわかります。
「主要ベンダはどこか?」、「取引年数はどのくらいか?」、「一定以上の規模の体制を維持し続けているか?」を確認してみましょう。主要ベンダがいなかったり、取引年数が2,3年程度の場合は要注意です。
必要以上にベンダ同士を競争されている環境よりも、特定のベンダと癒着しているくらいの方がまったりポジションは生まれやすいですよ。
IT担当役員のいない企業
これも先述の特徴の裏返しですが、避けるべきパターンです。
先述の通り、社内SEの労働環境は、所属企業が「情報システムの価値」を理解しているかどうかで決まりがち。なので、社長や役員がITに疎いと社内SEのことをただのコスト要員としか考えていないケースがあります。
残業代をケチって労働時間こそ短いかもしれませんが、どうしても日々の業務内容が評価されにくいですし、なかなか給料も上がりません。サービス残業上等な企業なら労働時間も長いかもしれません。
社内SEの主な業務のひとつは社内調整なので、「社内SEの味方になってくれる発言力のある人」がいない組織では、社内SEの立場は弱くなってしまいがちなのです。
まとめ:成功のコツはこの3つ!

ご紹介したとおり、社内SEの立場って本当に企業によって様々です。
色々と特徴をご紹介しましたが、まったりな求人を探すコツは
・企業が情報システムの価値を理解できているか?
・24時間営業の業界ではないか?
・ベンダと友好な関係を構築できているか?
の3点を抑えることです。
不安を煽るような内容もあったかもですが、社内SEという職業そのものがまったりした環境の多い職業なので、この3点を確認した上で、転職エージェントの意見やネットの口コミサイトの情報を十分に確認しておけば、割と簡単にまったりした職場にたどり着けますよ!