こんにちは。まよ(@josysnohito)です。
みなさんは「軸ずらし転職」って聞いたことがあるでしょうか。
これはTwitterの某インフルエンサーmotoさんが提唱する、給与水準が高い「業界」や「職種」に、少しずつずらして転職していくというものです。
例えば、
・出版業界の営業 → Web業界の営業 → Web業界のマーケター
みたいに、いきなり他業界の他業種に未経験で就職するのではなく、自分の所属する業界か職種のどちらかを固定したまま転職することです。
私は社内SEという職業はエンジニアのキャリアゴールである!なんて考えているのですが、実はSEはこの軸ずらし転職と大変相性が良いことに気がついてしまったので、この記事では社内SEと軸ずらし転職について考えてみます。
軸ずらし転職のメリットとデメリット

軸ずらし転職のメリット
先述の通り、軸ずらし転職とは転職活動の際に現在関わっている業界か業種のどちらかのみを変える転職のことですが、この軸ずらし転職には以下のメリットがあります。
・完全未経験とならないため、前職の経験が活かせることが多い
(=転職によって年収が下がりにくい)
・自分の強みが明確になっていくため、転職後の配属希望を叶えやすい
・給与水準の高い業界または職種にスライドしていくことで、年収を上げやすい
特に3つ目のメリットが軸ずらし転職の最大の魅力で、
・外食/小売/介護よりも、金融/医療/商社の方が給与水準が高い(業界)
・事務職/販売職よりも、企画職/エンジニア職の方が給与水準が高い(職種)
などといった2つ目の前提をもとに
・外食業界の事務職から、金融業界の事務職へ転職し、次に金融業界の企画職へ転職する
ということができれば、転職によって年収を上げることが容易にできちゃったりします。
(特定の業界や職種の失礼があるかも、ごめんなさいw)
軸ずらし転職のデメリット
軸ずらし転職のデメリットはその名の通り、転職が前提になることだと考えます。
転職が当たり前の時代とはいっても、新卒で入った企業から転職をすることそのものに抵抗感や罪悪感を感じることも少なくはずですよね。
私自身、新卒で就職した企業から転職したときは大変な罪悪感を感じましたし、転職を伝えたときの当時の上司の残念な顔は今でも時々思い出します。。
1回でも転職を経験すると、割り切れるんですけどね。
この罪悪感をどうすれば乗り切れるかは、別の記事でもご紹介していますのでよろしければ参考にされてみてください。
なぜSEが軸ずらし転職と相性がいいのか
このご時世どんな企業でも情報システムが存在するため、自社の業務にマッチする情報システムを作るニーズ、稼働中のシステムを運用し続けるニーズはあらゆる業界に存在するからです。
要はどの業界に行ってもSE時代のスキルって腐らないんです。
さらに、皆様御存知の通り現在の日本はの多くの企業は慢性的なエンジニア不足に悩まされています。
301名以上のIT企業ではIT人材の“量”、“質”ともに足りない状況にある。ビジネスエリアの拡大により、IT人材のスキル枠が広がっていることに起因している。IT企業にとって、ビジネスエリアの拡大に対応するため、デジタル部門の新設や従業員向け研修施策の着手、拡がったスキルの幅に対する新たな人事評価制度や給与体系などの整備が喫緊の課題である。
引用元:IT人材白書2020(https://www.ipa.go.jp/files/000085255.pdf)
つまりIT求人なんていつでも空いてるんですよ。そこそこのSIerで5年くらい経験積んだアラサーSEあんてマジで引く手あまたですよ。
話をまとめると、
・どの業界にもITのニーズがある(=IT業界外へ行きやすい)
・日本の企業は慢性的なエンジニア不足(=求人数が多く売り手市場)
という2点が、SEという職業が軸ずらし転職と相性が良い理由です。
軸ずらし転職で社内SEになるまでのステップ!

ではSEが軸ずらし転職として一般企業の情シス部門へ転職する、つまり社内SEになるまでの軸ずらし転職の順序をご紹介しますね。
1.現在SE職やITコンサル職で働いている場合
一番転職が簡単なパターンです。事業会社のSE職に転職するだけで社内SEへの軸ずらし転職になります。
新卒から20~30代なら、よほど面接が苦手でない限りは大きな苦労なく社内SEになることができるはずです。この際、少しでも年収の高い業界へ転職するのがおすすめです。(詳細は後述)
2.現在大学生、あるいは20代前半でIT業界未経験の場合
このパターンも比較的簡単に社内SEになれるけど、いきなり社内SEになるのはおすすめしない。
一度未経験でSIerに入社して、そこから社内SEへ転職するのがおすすめです。その際、独立系ITじゃなくて、子会社でもいいから大手系列に入っておくと、事業会社の選考を受けるときに書類通過しやすいことを意識しておくべき。
新卒や第二新卒で事業会社へ入ってSE職を希望しても良いのですが、このパターンは配属希望が叶う可能性が低いので注意。
新卒の配属は本人の希望を考慮せず配属が決まるパターンが多いですし、未経験の新卒を一人前のエンジニアに育て上げる体力は非IT業界の一般企業にはなかったりすることが原因。
さらに、一度希望が叶ったとしても、新卒社員はジョブローテーションによって他部署に異動になる運命なので、やはり社内SEに拘る場合はSIerから転職して事業会社へ行くのがおすすめです。
ただ、それでも新卒から社内SEになりたい場合は、いわゆるユーザ系IT企業を目指すとよいですよ。
3.現在ITとは無縁の業界・職種で働いている場合
少し転職が難しいパターン。
このパターンの方がいきなり事業会社の社内SE職を志しても書類選考に通らない可能性が高いので、まずは自分の会社でSE職に異動するか、IT業界の同業種に一度転職する必要があります。
その上で、より給与水準の高い事業会社の社内SE職に転職することになります。
転職は年齢が勝負なので、可能な限り若いうちにチャレンジするのがよいですね。
社内SEへ転職する際にやってはいけないこと

短期の転職活動(活動開始~内定まで1、2ヶ月以内)
社内SEのポジションって募集があったりなかったり、時期によってまちまちです。
特に希望の業界や特定の企業を目指して転職活動をする場合は、できれば3ヶ月~1年の長期戦の転職活動が望ましいです。
大手転職エージェントに登録するとサポート期間が限られていたりして、たまたまいま募集しているポジションに無理やり押し込まれることも少なくないので注意。
自分のペースで動ける、スカウトサービスを中心に転職活動を行うと良いですよ。
あるいは中小の転職エージェントであれば長期間のサポートをウリにしているところもあるので、”良い案件が出たら紹介してもらう”という前提で転職活動を行うのがよいです。
転職後の早期退職
世の中的に転職が当たり前になり、「石の上にも3年という言葉は古い」なんてことをよく聞くようになりました。しかし、これはポテンシャルだけで採用してもらえる20代前半向けの考え方です。
社内SEになるためにキャリアを積み重ねていく場合は、前職の経験を活かす必要があるため、原則として早期退職はおすすめしません。
転職先の企業に、前職の経験を存分に発揮できると思わせるだけの経験の蓄積が必要です。
特に新卒からSIerやITコンサルで働いている人は、絶対にその経験が今後のキャリアの強みになるので、3年は頑張って経験を積んで欲しい。
思いつきの転職ではなく、10年20年単位で計画的なキャリアを考えることが大切です。
斜陽業界への転職
社内SEの仕事ってどこに行っても大差ない。しかし、業界によって大きく給与水準が変わる。
なので、給与水準の高い企業に行かないと損をする。
過去数年間に渡って業績が右肩下がりな業界や、今後数年で発展の見込みがない業界は、どんなに業務内容が魅力的でも避けたほうが良いです。
まとめ、軸ずらし転職はあくまで手段です
社内SEは結局のところ、キャリアのゴールとして以下のどちらかを目指すこととなります。
・稼ぐのが目的で社内SEになる場合
→社内SE×高年収業界(金融、医療、商社など)
・まったりするのが目的で社内SEになる場合
→社内SE×楽な業界(地方拠点やインフラ業界など)
自分のキャリアのゴールを意識しておくと、その過程となる軸ずらし転職の方向性もおのずと決まってくるはずなので、自分は最終的にどうなりたいのか?を意識しながら転職活動に望むよう心がけてみましょう!