こんにちは。まよ(@josysnohito)です。
以前こんなことがありました。
明日は中途の内定者の条件面談に同席予定。内定者の方が現職に残るか転職するか超悩んでいるらしく、SIer経験者の私にも同席して欲しいと白羽の矢が立った。
なんか、初めての転職を思い出しちゃうね。新卒で入った会社辞めるのって悩むんだよなー。
別に転職なんて部署異動と大差ないのにね。
— まよ (@josysnohito) September 26, 2021
SIerで働いている人は、おそらく誰もが、転職という選択肢を多少なりとも意識しているのではないだろうか。その理由は主に、
・SIerからの転職は市場価値が高いことを理解していてより高いポジションに付きたいと考えているから(積極的理由)
・年をとっても激務のSIerで働き続ける自信がなく、いつの日か今の環境から抜け出したいと考えているから(消極的理由)
などが挙げられると思う。
とはいえ、いざ転職するとなると物凄く悩む。私が面談に同席した彼もそんな悩みを抱えていた。
罪悪感に苛まれて行動すら起こせない人も少なくはないと思う。でもそういう人こそ行動を起こせば人生が変わる。
この記事では、転職に踏み切れなくて悩んでる方へ向けて、私の経験をご紹介してみようと思います。
前提:社内SEになる前の、SIer時代の私の経歴

転職の体験談を語る前に、私の経歴を。Twitterのプロフィールにも書いている通りだが、私は新卒で大手SIer→ベンチャーと言う名のSES派遣→金融系の社内SEの職を経てきた。
1回目の転職は環境を変えたい一心だった。異動が少なく、入社後10年も20年も同じ部署で古いシステムの保守と更改のマネジメントばかりやる。そんな人だらけの環境から抜け出したくて、新規サービスの立ち上げに関わっているベンチャーに飛び込んだ。
が、実態は新規サービスの立ち上げは上手く行かず、SESで日銭を稼ぐような会社だったので、入社後半年も経つ頃には今の会社に転職した。
そんな1回目の転職活動は失敗しかなかったので、この記事では社内SEへの転職経験として、主に2回目の転職活動について語る。
体験談1:社内SEへの転職活動、のんびりとやった

1回目の転職をあまり何も考えずに1ヶ月くらいでサクッと決めてしまった後悔もあって、2回目の転職は物凄くのんびりやった。半年くらいかけたと思う。
時間をかけてのんびりやった理由は、転職活動を1ヶ月2ヶ月したくらいじゃ常時募集している人の出入りが激しいポジションと、そうじゃなくて本当にスポットで募集している狙い目のポジションの見極めができないと考えたから。
結果的にこのやり方は正解だったと思う。転職って、あくまでいま出ているポジションに対してしか応募ができないので、いいポジションに応募するためにはポジションが空くのを待つ必要がある。
部屋探しと同じで、転職エージェントに登録したばかりの頃は出入りの激しいポジションばかり紹介される。多分リ○ルートとア○センチュアは、中堅以上のSIer出身の若手なら、ほぼ確実に紹介されるんじゃないかな。
もちろん出入り激しいポジションだから悪いということはないと思うが、そういうところは次の次の転職を前提にしていることが多い。私は終の棲家を探したかったので、長く働けるポジションが空くのを待った。
実際、登録してから1ヶ月過ぎた頃から紹介されるポジションは、大手のまったりしてそうなポジションが多かったと記憶している。
ただ、転職エージェント側に転職意欲がないと判断されると求人紹介が止まると思ったので、こちらから定期的に連絡を取るのは怠らなかった。本気度を見せるために、メールだけではなくたまに電話したりもしていた。
大手の転職サイトって、世に出回っている大半の網羅しているから、求人複数のエージェントを登録するの面倒くさがる人いると思う。でも、1社にフラれると1からやり直しが必要になるので、並行して複数社のエージェントとやり取りする方が絶対に効率良い。
できることは躊躇せず全部やれ!人生決まるからな!!
あと、たまに大手の転職エージェントはサポート期間が3ヶ月と言われる事がある。何となくこれを聞くと3ヶ月以内に転職先を見つけなければと思うけど無視でいい。転職意欲が高いことさえ伝えておけば、3ヶ月超えてもサポートしてくれるから。
まとめると、社内SEの良いポジションを見つけるために私が得た教訓は、
・すぐに応募せず、3ヶ月〜半年単位でのんびりと転職活動をする
・転職の本気度をエージェントに伝えるためにこまめな連絡は怠らない
・スカウトサービス含めて複数の転職エージェントに登録する
・転職エージェントに急かされても焦らない
ということだ。
体験談2:SIerから社内SEへ転職後、こう変わった


SIerから社内SEに転職すると大きく変わるものと変わらなかった事がある。
まず変わらなかったものは、職場や働く人の雰囲気だ。システム屋って、SIerの社員だろうが、情シスで社内SEやっていようが、似たようなタイプの人が集まる。
男が多くて、派手な人が少なくって、論理的な人が多くて、みんな割と責任感が強い。あの感じ。これは変わらなかった。SIerの人の雰囲気が好きな人は、きっと社内SEになっても良好な人間関係を築けるはずだ。
変わったものもいくつかあった。主に、
・労働時間
・受発注関係の立場
・社内ヒエラルキー
などだ。
労働時間の変化
労働時間は減った。
一般的にイメージされている通りで、SIerより社内SEの方が労働時間は短いことが大半だと思う。
どのくらい減ったかというと、
情シスの一日
09-10 朝イチで部長報告
10-12 社内資料作成
12-13 おひるごはん
13-15 社内資料作成
15-16 ユーザ部の問い合わせ対応
16-17 ベンダと進捗報告会議
17-19 社内資料作成この生活になって早2年。そろそろLinuxコマンドどころかSQLも叩けなくなりそう。
— まよ (@josysnohito) July 10, 2021
10-11 メールチェック&朝会
11-12 午後から本気出そう
12-13 おひるごはん
13-17 試験環境に篭って試験(体感時間30分)
17-18 進捗会議
18-23 試験環境に篭って試験(精神と時の部屋)
23-24 溜まってたメールの返信、帰宅こんな感じですかね。21時に帰れたら定時退社って言ってました。
— まよ (@josysnohito) July 10, 2021
こんな感じ。
ちなみに私の場合、労働時間が減ったのに年収は微増しているので、時給がかなり上がったことになる。
でもこのケースは稀かも。SIerから社内SEに転職したという人は、SIer時代より若干給料が減ったけど、労働時間が大きく減ったという人が多い印象だ。
受発注関係(業界におけるヒエラルキー)の変化

IT業界は、皆さんご存知の通り多重請負構造になっている。
大手SIerを頂点として、その下に大手の子会社が、その下に独立系SIerが…、みたいな体制が組まれがちなこの業界だけど、一般企業の情シスで社内SEをやっていると、そのピラミッド構造に発注する側の立場になる。
なので、SIerに居たときみたいに、顧客から出てきた要件や上流工程の成果物ありきの仕事はできない。
「要件通りです」「仕様通りです」「契約範囲外です」と言う立場から言われる立場になり、「バグの原因は?」「遅延の原因は?」「再発防止は?」と言われる立場から言う立場になる。
何気ない自分の呟きが拡大解釈されて、いつの間にかベンダへの指示になってしまうこともあった。
で、どっちがいいかというと、正直好みだと思う。
人と会話したり調整ごとをする頻度は社内SEになった方が増えるので、泥臭い技術作業が好きな人はSIerに居たままの方がよいかもしれない。
社内ヒエラルキーの変化
一番大きな環境の変化はこれかもしれない。
うちの会社、情シスの社内ヒエラルキーは中の下ぐらい。営業や企画や広報には下に見られるけど、事務や総務などシステム使ってくれる部門には割とこっちの意見を通しやすい。
一般的にはどうなんでしょうね。情シス最強な会社ってないのかな。#情シス
— まよ (@josysnohito) November 13, 2021
SIerにおけるSEは組織の稼ぎ頭なので、なんだかんだ社内のヒエラルキーの上位にいることが大半。ぶっちゃけ総務とか営業に対して「誰が日銭稼いでると思ってるんだ?」みたいな意識を持っているSEもいると思う。
一方で、一般企業の情シスの社内SEはスタッフ部門に近い扱いとなる。なので決して社内ヒエラルキーは高くない。よって社内からの無茶振りに頭を悩まれることがある。
代表的なのが、営業が勝手に「できらぁ!」と言ってきてしまうパターン。本当にある。
営業の担当レベルは軽くあしらえても、上司同士の会話になると情シスは営業に必ず負ける。なぜならSIerじゃない一般の企業って、技術や業務寄りの役員よりも営業上がりの役員の方が圧倒的に数が多く、社内の政治力が高いからだ。
まとめ:悩んで後悔する前にさっさと行動しよう!
ということでSIerから社内SEへ転職した体験談を語ってみました。
両者の違いを紹介してみましたが、ぶっちゃけカルチャーショックを受けるような違いはない。
だって同じ国の同じ業界の仕事なんだもん。会社を変えたくらいで劇的に何かが変わることはない。
だったら、いい環境引くまで転職繰り返すのが一番賢いのでは?と思うのが私の持論。
どんな安定企業でも、その職場で働いているときに精神衛生が安定しないようなところは定年まで働ける気がしないよね。
ホワイト企業の中にもブラック部門はあるし、ブラック企業の中にもホワイト部門はある。安息の地に辿り着くにはじっとせずガチャを引き続けるしかないのさ。
— まよ (@josysnohito) November 10, 2021
よほど現職に愛着を感じていない限り、何度か転職してあたりを引くまで待ち続けたほうがよいと思う。人手不足の昨今、IT業界では転職すればするほど給料が上がる傾向にあるしね。