こんにちは。まよ(@josysnohito)です。
転職活動するときって、どんな資格が有用なのか気になりますよね。
経験が一番大事!とは頭で理解していても履歴書には資格を記載する欄があるので、気持ち的にどうしても欄を埋めたい気分になるんじゃないかと思います。
そしてどうせ資格欄を埋めるなら、面接官に評価される有用な資格を取りたくなりますよね。
この記事ではそんな方へ向けて、社内SE転職において資格がどの程度必要になるのかと、転職に有利になる資格をいくつかご紹介します!
前提:社内SE転職に資格は有用なのか?

そもそもの前提として、社内SE転職に資格はどのくらい有用なのかを考えてみます!
一番大事なのは職務経歴
はい、やはり資格よりも重視すべきなのは職務経歴です!
これまでの経歴で開発スキルのみならず特定の業界の業務知識をどれだけ得てきたかどうかが資格よりも重要なポイントになってしまうのが事実です。
特に、社内SEは企業の業績を上げるためやコストを削減するために社内の業務をシステム化することが求められますので、「応募先企業の業界の業務知識に精通しているかどうか?」が重要な選考ポイントになります!
例えば銀行の社内SEの求人にSIer出身者の2人が志望してきたとします。
以下2パターンだとどちらの方を採用したくなるでしょうか??
年齢やスキルセットが似たりよったりの場合どっちが銀行の社内SEとして採用されやすいかというと、圧倒的にAさんですよね。というか多少スキルセットが劣っていたとしてもAさんの方が活躍のイメージが持てませんか。
まぁこのエンジニア不足のご時世、こんな頑張ってアピールをしなくても、銀行向けのシステムを作ってたSEが銀行の情シスに転職するなんて、割とあっさりと転職先が決まったりするんですけどね。
業務経歴の穴を埋めるのが資格
では、上記のBさんが業務経歴の穴を埋めるためにFP2級の資格を取っていたとします。そうするとこんな感じでアピールできるようになります。
こんなアピールができるBさん、どうでしょうか。なんかやる気も感じるし、具体的に行動して結果を出した実績もあるし、業務知識がなくても採用したくなりますよね!
こんな感じで、現職の業務では経験できない知識の穴を埋める事ができるのが転職において有用な資格です!
どうせ資格を取るのなら、なぜその資格を取ったのかを明確に答えられるのが望ましいですね。
SEとしてのスキルを証明するのも資格の役割

穴を埋めるだけではなく、自分自身のスキルの客観的な裏付けとなるのも資格の役割です!
実際、選考を行う面接官はあなたが現職でどのくらい活躍しているのかなんかわからないですし、システム開発って会社によって微妙に手法が異なるので、他社の手法に対して踏み込んだ質問をしてもなかなかスキルを読み解くことって難しい。
喋りが上手い人だといくらでも仕事できそうに見えてしまう。プログラマー採用とかならプログラミングテストとかで技術力を測れるんですけどね。
なので、自分の経験とセットでそれと近しい資格を持っておいた方が、自分の発言に説得力が増す。マネジメント経験をアピールする人が「プロジェクトマネージャ」や「PMP」の資格を持っていると、確かにマネジメント得意そうだと思いますよね。
社内SE転職に有用な資格
ということで、資格はあくまで業務経験の穴を埋めたり、自分のスキルを証明するための根拠として使うのが望ましいということをご紹介しました。
ではでは、次に具体的にどんな資格が有益なのかを5つほどご紹介します!
おすすめ資格1:基本情報技術者/応用情報技術者
なんだかんだ鉄板です。取っておいて得することはあっても損することはない。
日本のIT業界にいる以上、職種がSEだろうが、ITコンサルだろうが、Webエンジニアだろうが、社内SEだろうが、システムという仕事をしている以上必ずこの2つの資格は役に立ちます!
IT企業や情シスが昇格や昇給の条件に資格を設ける場合、必ずといっていいほどこの2つの資格を何かしらの前提に組み込んでいるはずです。IT系の資格でこれ以上汎用性の高い資格はないと言っていいんじゃないでしょうか。
この2つは受験者も多いため、無料で過去問を学習するサイトが充実しています。ご参考まで学習の際は以下のサイトが非常におすすめですよ!
・基本情報技術者どっとこむ:https://www.fe-siken.com/
・応用情報技術者どっとこむ:https://www.ap-siken.com/
完全未経験なら基本情報技術者から取得すべきかと思いますが、既にIT業界で働いた経験が1年以上あるのであれば、応用情報技術者から取得しても良いと思います。
ほぼ基本情報技術者の上位互換にあたる資格ですので、応用情報技術者から取得した場合は基本情報技術者を取得する必要はありませんよ。
おすすめ資格2:システムアーキテクト
応用情報技術者の上位にあたる国家資格です。
システム開発の上流工程にあたる「システムのアーキテクチャを構築する能力」が必要となる、企画寄りの社内SEとは親和性の高い資格です。
それなりに難易度の高い資格なのでそれなりに本腰を受けて勉強をしないと受からない。試験が午前1(選択)、午前2(選択)、午後1(記述)、午後2(論文)と丸1日かかる長丁場の試験であり、論文試験もあるため知識だけではなく経験も求められる。
とはいえ、応用情報技術者の取得者であれば、午前1の試験は合格後2年間免除になりますし、午前2や午後1の勉強方法もある程度確立できているはずです。
唯一午後2の論文が難所ですが、実は論文の書き方にコツがありまして、以下のような参考書でポイントを抑えておくと意外と簡単に合格圏にたどり着きます。
このように合格の攻略法はある程度存在しますので、応用情報技術者を取得した直後の知識ですぐに勉強を始めれば、そこまで労力を掛けずとも取得できる資格だったりします。
おすすめ資格3:プロジェクトマネージャまたはPMP
プロジェクトマネージャは応用情報技術者の上位にあたる国家資格です。
そしてPMPはプロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格で、米国のPMI(プロジェクトマネジメント協会)認定する国際資格です。
どっちもマネジメント系の資格になります。社内のシステム化要件を取りまとめたり、常駐BPや外注ベンダを管理したりする、マネジメント寄りの社内SEには親和性の高い資格です。
プロジェクトマネージャはシステムアーキテクト同様、午前1(選択)、午前2(選択)、午後1(記述)、午後2(論文)と受験に丸1日かかる長丁場の試験。
ただし、こちらも応用情報技術者の取得者であれば、午前1の試験は合格後2年間免除になりますし、午前2や午後1の勉強方法もある程度確立できているはず。
そして午後2の論文についても書き方のコツがあるため、以下の参考書を参考にすれば割とすんなり合格圏に届きます。
難易度の高い資格ですが、攻略法が確立されているのはシステムアーキテクト同様です。
一方、PMPは筆記試験自体の難易度は低いものの、大卒者で4500時間以上の時間/36ヶ月以上期間のプロジェクトマネジメント経験が求められます。
よほど大手の企業でも入社1,2年くらいはマネジメント業務に携わることは稀なため、早くても入社5年目くらいにならないと取得できないのがこの資格。
相当優秀な人じゃないとなかなか20代でこの資格を取得することはできないですし、合格後も定期的に学習が必要ですが、マネジメント能力があることを証明するには最も有用な資格の一つです。
おすすめ資格4:各業界の”鉄板”の資格(特に簿記)
IT業界における基本情報技術者のように、各業界における鉄板の資格は存在します。金融ならFPや簿記、不動産業界なら宅建、医療業界なら医療事務などが該当しますね。
その中でも簿記は基本的にどの企業に入社しても腐ることのないおすすめの資格です。
簿記といえば経理や会計業務に携わらないと使わないイメージがあるかもしれませんが、このような業務はあらゆる企業に存在するため、これらの業務をシステム化するニーズは常に社内に存在します。もちろんそれに応えるのも社内SEの仕事です。
それだけではなく将来的に管理職になったり起業するなどして経営に携わるようになった場合も、簿記の知識は役に立ちます。
この手の資格は志望する業界に合わせて、先述のBさんのように業務知識の穴を埋める形で取得するのが良いですが、悩んだ場合はとりあえず簿記を取りましょう!
おすすめ資格5:TOEIC
TOEICは社内SE転職に限らず、あらゆる業界に転職するときにとりあえず取っておくと役つ資格ですよね。
ここで挙げた5つの資格の中で最も汎用性が高く、将来的な転職にも活かせる資格です。
他の資格と違って点数を記載することになるため、少なくとも転職では700点以上は取っておきたいところです。学歴に自信がない場合でもTOEIC800点とか書ければ採用担当者の目に止まりますので、学歴の補完にもなります。
TOEICのスコアを上げるにはスタサプに申し込むのが手っ取り早いです。コーチングサービスという3ヶ月間専属のコーチが付いてオンラインで指導をしてくれるサービスもあり、言われた通り勉強するだけでグングンスコアを伸ばせます。
それに、実際に社内SEの業務でも結構英語使う機会って結構あります。
大手外資系のパッケージ製品(OracleとかSAPとかIBMとか)を導入している場合、一般的なことは日本語のマニュアルにも書いてますが、少し踏み込んだことを調べようとすると英語のマニュアルを読まないといけないことも多々ある。
日本法人に問い合わせたけど海外の現地法人から英語の回答が返ってくることもある。外資系企業で働く方々は当たり前のように英語を使いこなすので、たまーに顧客に対しても当たり前のように英語の資料を送ってくることがあるんですよね。
【注意】ベンダ資格は転職先の採用製品とマッチしないと無意味

ベンダ資格とは例えば、
・OracleMaster(Blonze/Silver/Gold/Platinum)
・MicrosoftOfficeSpecialist (MOS)
・Cisco Certified(CCNA/CCNP/CCIE)
・AWS認定
などが有名どころですよね!
どの試験もきちんと勉強すれば無理なく取得できる程度の難易度ですが受験料が高く、決して取得のハードルは低くないです。その割にはMOSを除くと汎用性が低く、転職先の採用製品とうまく噛み合わないとなかなか評価に結びつかなかったりします。。。
逆に採用製品とマッチすると評価が上がることもありますが(基幹システムにOracleを採用している企業にOracleGoldホルダーが応募すると非常に評価される)、どちらかというと転職のために取得すると言うより、現職のスキルを磨くために取得するものかなと思います。
まぁ、MOSなら汎用性は高いですが、中途採用でMOSを持っていたところでアピールポイントになるかというと微妙なのが正直なところですよね。
ベンダ資格は、社内SE転職を目指す場合は積極的に取得するほど資格ではないと思います。
まとめ:経験や志望動機とセットでアピールすべし
ということで社内SE転職に有用な資格をご紹介しましたが、どの資格にも共通して言えるのは「自分のスキルを証明する」「経歴の穴を埋める」など、何かしらの経験や志望動機とセットでアピールすることで初めて評価されます。
なんとなーく飾り的に資格欄に書くだけで評価されるのなんて、上に挙げた中だとTOEICの高得点くらいじゃないかなと思います。
社内SE転職において資格とは、決して優先順位が高い要素ではありません。転職先が必要とする人物像とマッチする経験を積むことが一番です。
ですが経験なんてものは必ずしも自分の希望通りに積めるわけではないので、それを補完するためのツールとして資格を活用するのがおすすめですよ。